作品名 | 蒔絵厨子棚 |
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サイズ | 縦:38 横:96 奥行:70 |
時代 | 江戸 |
データ | 正式名を「扇月丸藤巴紋散松梅橘蒔絵厨子棚 (おうぎつきまるふじともえもんちらしまつうめたちばなまきえずずしだな)」という。 武家階級の娘の婚礼時に収められる調度品の中で、特に重要な位置を占める道具に三棚があり、これはその棚の一つである。全体に詰梨地がほどこされ、金銀の高絵巻に銀の切金が交えられ、伝統的な図柄が格調高く描かれている。ここでは見えないが、中段の扉を開くと、その内側に大黒と恵比寿の像が描かれている。 |
コメント | こうした「棚」は、もともと平安時代の公家の調度品でした。 江戸時代になると、この棚は上流の武家階級の調度品になり、婚礼には欠かせない道具となりました。この棚は、そうした平安時代の二階棚と二階厨子が組み合わされたものといわれています。 一番上の四段棚には、手箱、香道具、硯箱、文具などが置かれ、それらが一体となっています。精緻に富んだこうした蒔絵は、武家の娘としての品格と教養、そして美意識を表現する大切な道具だったのです。 |