作品名 | 萌葱糸匂威鎧 |
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時代 | 鎌倉 |
作者 | - |
データ | 甲冑の萌葱色は、大袖の部分の糸が縦に徐々に色が薄くなるように精工に仕上げられている。胴部の金物には、唐獅子などが精工に彫金されており、戦の実用性と装飾性を合致させた見事な芸術品といえるだろう。 |
コメント | なぜ武将たちは、甲冑にこうした芸術的な装飾を施したのでしょうか? 鎌倉時代は2度の元寇(蒙古襲来)と南北朝の全国的な対立を背景に戦乱が相次ぎ、武具が大いに発展した時代でした。 常に命がけで戦場に赴き、つねに死と隣り合わせだった武将たちにとっては、自らの命を守る甲冑とは、もはや単なる実用的なだけの武具ではありませんでした。 それは、威風堂々とした自分の姿を満天下に示す晴れ着でもあったのです。生命を守り、死をも恐れぬ自分の精神を象徴する甲冑。武将たちが、その甲冑に最大限の装飾を施したのも当然だったのではないでしょうか。 |